薬剤師国家試験はどの科目から勉強すればいいのか~物化生から勉強してしまう罠~
こんにちは、マルオです。
そろそろ8月も終わり、9月に入ろうとしていまね。
薬学部の方は夏休み期間があったのかなかったのかはわかりませんが、
国試を控える6回生にとっては、
流石にそろそろガチで勉強しないとヤバイ
と思っている方も多いのではないのでしょうか。
それとも既にガチで勉強されている真っ最中でしょうか。
予備校の先生はよく
「物化生がすべての科目の基礎になる。まずは物化生を終わらせなさい。」
と言います。
まさかこの時期になって未だに物化生が終わってない…なんて方はいませんよね?
流石にね、それはヤバイでしょう。
そう思うかもしれません
が、私が6回生の当時は物化生なんかは夏の時点で全く終わっていませんでした!
それでも最終的には現役で第100回の国試に合格することができました。
なぜ、物化生を最初に終わらせなかったのか
結論から言うと、物化生を終わらせなかったというよりは終わらせることができなかったと言うべきでしょう。
なぜなら、全科目の中で物化生が一番範囲が膨大で一番難しく、一番点数に繋がりにくいからです。
そのためいきなり物化生から勉強し始めるとなるとなかなか終わらせることができず、
しかも難しく覚える量がハンパないため、
一度勉強した単元でもなかなかマスターすることはできませんでした。
延々と物化生しか勉強できていないでいると、勉強は進まないわ模試の点数はいつまでたっても上がらないわ、模試を受けてもわからない問題ばかりで解説読んでも意味が分からないわで負のループでした。
国試で一番大事なのは、勉強のモチベーションを保ち続けることです。
全然模試の点数も上がらない、受かる気がしない、どうやったらいいんだ、もう無理だ、勉強しても無駄だ、どうせダメでも企業なら就職できる、また来年頑張ろう、とりあえず卒業できればいいや
そう思ってしまった時点でハッキリ言って何も勉強する気がなくなってしまい終わります。
モチベーションを保つためにも模試である程度点数が取れるように勉強しておかないと詰みます。
そこで私が行ったのは、
あえて物化生は放置し、他の点数を取りやすい科目を先に勉強する
ことでした。
物化生以外の科目は時間もかからず一度勉強すればアッサリと点数に繋がる。
衛生、薬理、薬剤、薬治、法規などの科目は比較的覚えやすく、学習が進めやすいです。
しかも単純に覚えてさえいれば解けるような問題が多く(特に薬理)、勉強量が点数に直結しやすいことが挙げられます。
逆に物化生は高校で学習するような知識が問われるなど勉強していても解けない問題が比較的多く、せっかく勉強しても点数に繋がりにくいことがあります。
私の場合は8月ぐらいに衛生、薬理、薬剤、薬治、法規などの科目の青本を、
過去にブログで紹介した勉強方法で1科目につき数日程度で集中して終わらせていきました。
(集中して終わらせれば法規など薄い科目は3日程度で終わるでしょう)
※勉強方法は下記のリンク参照
そのときは物化生に何か月も時間をかけていたのはいったい何だったのかという感じでしたね。
よく周りでも薬理とか勉強してるの?物化生終わったの?と訊かれたりしましたが、
物化生なんか終わってなくても他の科目の勉強にとくに支障はなかったように思います。
むしろ物化生にいつまでも執着しているほうが効率が悪いなと思いました。
もちろん物化生を難なく早々に終わらせることができている方はそれが一番良いのだと思いますが。
そんなものは他の科目を終わらせてからじっくり勉強すれば特に問題はなかったです。
ていうか私には早々に終わらせるのは無理でした。
(ある程度は進めましたが、終わらせるのは無理でした)
いつまでも物化生以外の科目が全く学習できていない状態で授業や模試を受け続けるほうが圧倒的に効率が悪いです。
特に薬理なんか後回しにすると、
問題で薬の名前がでてきたときに何の薬かがまずわからないと何も答えられません。
物化生以外の科目を勉強する際のコツ
薬理と薬治は、被っている内容も多いため
それぞれの疾患とその疾患に使われる薬といった具合で同時進行で学習しました。
そのほうが効率が良いです。
あとは科目毎に絞って勉強すること。
例えば薬剤は何月何日までに終わらせると目標を決めて、
その目標の期間に間に合わせるように勉強しました。
ある程度勉強していれば1日で何ページくらい進めれるか自分でわかってくるので、
そのペースを参考に目標期間を決めていました。
どうせ青本一周程度では国試は無理。はやめに終わらせて二周三周する
当たり前ですが、ほとんどの人は青本を一旦一通り学習したからといって、
一度で内容すべてをマスターすることは難しいです。
1科目を一度で完璧に終わらせる必要はありません。
ざっとで良いので全体を終わらせてから、
時間の許す限り科目毎や分野ごとに掘り下げて勉強していきましょう。
結論:勉強する科目の順番は勉強しやすい順で良い。
終わらせやすいと思った科目からどんどん終わらせていきましょう。
物化生は他の科目が終わってからじっくり勉強できます。
以下も参考に良かったらどうぞ
散剤(粉薬)の計算~超シンプルな力価計算方法~
こんにちは、マルオです。
今回は散剤の成分量(mg)から実際に測りとる量(g)を計算する方法について書きたいと思います。
私も大学のときに計算方法を学びましたが、どうもこの力価計算というのはそのときわかったと思っても実際に計算するときになると、あれ?どうやるんだっけとわからなくなってしまいがちでした。
しかし今回ご紹介する超シンプルな計算方法を知っていれば、ほとんど何も考えなくても一瞬にして計算できてしまうのです!
もちろん、薬剤師の方であればそんなの考えれば簡単と思っておられる方がほとんどだと思います。
ですが実務実習の学生さんなど、散剤を調剤するときにわからなくなってしまった方や、国家試験の計算問題で手こずっている方の少しでも助けになればと思います。
超シンプルな計算方法~とにかく100%に換算する!~
(例)フロモックス細粒10% 150mg 分3 4日分
まず大前提として
①処方箋に記載されている成分量は基本的に1日量になります。
今回だと1日に150mg、1回に50mg服用ということです。
②基本的にmgは薬の成分量、gは実際に測る粉の量を表します。
まず最低限これは知っておかなければ計算もクソもありません。
そして計算方法としては、とにかくすべて100%に換算することだけを考える。
これだけです。
この場合、10%→100%にするには10倍ですよね。
なので150mgを10倍します。
すると150×10=1500(mg)
となります。
あとは1500(mg)=1.5(g)と単位換算します。
これで終わりです。
非常に簡単ですね。
1日に1.5g。1回に0.5g。全体では1.5g×4日分=6g測りとれば良いとなります。
考え方としては測りとる量全体は100%、そのうちの10%がフロモックスという薬の成分ということです。(全体の10%が150mg)
残りの90%は添加物など薬の成分以外のものということですね。
なので100%のときの量を計算すれば自然と全体の量が算出されるというわけです。
この計算方法の特徴としては、考え方が超シンプルなので間違えにくく、やり方を忘れにくいというメリットがあります。
私自身も薬剤師になってから散剤の計算はすべてこの方法で行っていますが、計算できなかったことはありません。
念のためもう1つ例を。
(例)リザベンドライシロップ5% 150mg 分3 4日分
5%→100%にするには20倍なので(5×20=100。ここは暗算で。)
150mg×20=3000(mg)=3(g)
1日に3g、1回に1g、3×4=12g(測りとる量)
いかがでしたでしょうか。
もちろん実際に測る量(g)から成分量(mg)を算出して投与量が適正か判断したいときは掛け算を割り算にすれは良いだけのことです。
皆さんも困ったときはとりあえず100%換算してみましょう!
薬剤師国家試験対策で僕が行っていた勉強法その2
続きです。
こんにちは。マルオです。
早速前回の「薬剤師国家試験対策で僕が行っていた勉強法その1」の続きを書いていきたいと思います。
「自分でまとめる」はピンポイントで
所謂「自分でまとめる」作業は、国試の勉強では基本的にはしていませんでした。
僕も定期試験のときにはよく教科書の内容などをルーズリーフなんかにまとめて勉強していました。
たしかに「自分でまとめる」と、教科書にゴチャゴチャ書いてある内容もわかりやすくコンパクトに整理できることで頭に入れやすくなるメリットがあります。
ですが国試の試験範囲は膨大な量なので、それをまとめるとなると時間も手間もかかりすぎてしまいます。
なので「自分でまとめる」のは、わかりにくいところだけピンポイントで行いました。
そうすると、試験の直前に確認するのにちょうど役立ちました。
参考書は一つに絞って繰り返しやる
模試などを受けたりしていると、必ず起こるのが「こんな問題、参考書に載ってない!」ということです。
当然の話ですが、参考書に載っている内容の中から必ず試験問題が出るわけではありません。
なので、一つの参考書だけでは勉強範囲が足りないと思う方もおられるかもしれません。
しかし、落ち着いて考えてください。
薬剤師国家試験は何も満点を取る必要はなく、とにかく全体の65%(345問中225点)以上取ることができればそれで合格です。
(近年、合格基準は平均点と標準偏差による相対基準になる動きになっています。何にせよとりあえず225点取れていれば合格は確定です。)
言ってしまえば、345問の中で120問までは捨てることができるのです。
また、以前は必須問題などの足切りがかなりネックになっていましたが、近年の国試では足切りはほぼ無いも同然と言って良いでしょう。
つまり、皆が解ける問題を自分も確実に正答していけば、合格できるようになっているのです。
なので、自分だけあえて難しい問題のためだけに時間や労力を費やす必要性は皆無と言って良いでしょう。
むしろ、合格者が解ける問題を自分も確実に正答することのほうが重要です。
例えば青本で勉強する場合、青本の内容で解ける問題が仮に300/345問あったとすれば、青本の内容を8割マスターしていれば240/300点取れるので余裕で合格できます。
同じテストを仮に青本の内容が7割しかできていないのに他の参考書をかじった人が受け、他の参考書の内容が10点分で出たとします。
それだと、青本の内容で解ける問題が210/300点、それ以外の内容の問題で10/45点、足しても220/345点で落ちてしまうことになりますよね。
他の参考書に手を出すとなるとまた1から取り組む必要がありますし、最初勉強した参考書と被る内容もあるでしょうし、効率はあまり良いとは言えないと思います。
解けない問題があると不安にはなりますが、はっきり言って合格するだけなら一つの参考書を繰り返しするだけで十分です。(実際ぼくがそうでした。)
他の参考書に手を出すのは、最初の参考書をマスターしてもう勉強することがない、合格点よりさらに上を狙う人だけにしましょう。
本番の問題内容について
本番前の問題内容流出
国試が近づくにつれて、本番の問題内容の流出情報がSNSなどで回ってくることになると思います。
例えば、今回問題を作る先生の専門分野がここだからその問題が出るとか、その先生が授業でここの内容で本番の問題を作ったと思わず漏らしてしまっただとか、違う医療系の国試で出たこの問題が薬剤師の国試でも出るだとか、予備校の先生が直前模試の内容を国試を作った人に見せたらよく当たってるねと言われただとか…
いろいろ噂は出てくると思いますが、結論から言うと本番の問題内容流出はまずありえません。
実際に僕が国試を受けたときにもかなり情報がSNSで回ってきましたが、いざ本番を受けてみると全く関係ありませんでした。
むしろ、あれだけいろいろ回ってきた情報は何だったんだ…という感じでした。
なので、本番前の噂には惑わされずしっかり自分の勉強に集中したほうが良いと思います。
ただ、どうしても噂が気になってしまう人はそこを勉強しておけば後々気にせずに済むので良いかもしれません。
何にせよ過剰に情報を信用するのは禁物ですし、自分の勉強スケジュールを曲げてまでケアする必要はないと思います。
予備校のヤマ
毎年にように予備校講師がここが今年のヤマだ!と言っていると思いますが、正直結論から言うと下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるレベルのものと思って良いでしょう。
もちろん適当に予想してるわけではないのはわかっていますが、所詮ヤマはヤマでしかありません。
ただ、薬ゼミ大阪の薬理学のO先生の話だけは聞いておいたほうが良いです。あの先生だけは相当な情報を集めているので当たります。
それ以外の先生のヤマはとくに当たってた記憶はないですね。
基本的にはヤマをわざわざ勉強するくらいなら、自分の苦手な範囲でも勉強しておくほうが良いと思います。
最後に…最大の敵はモチベーション
僕が国試勉強を経験して体感したのは、モチベーションを保つ難しさでした。
本番までまだ時間があるうちは良かったのですが、本番が近づくにつれて模試の点数がなかなか上がらなかったため、もうこれ以上勉強したところでどうせ無理なんじゃないかと思うようになり、なかなか勉強に向かうことができませんでした。
なので、モチベーションを保つためにも早いうちから勉強の型をつくり、ある程度合格を見込める点数を模試でとれるようにしておくことは重要なのではないかと思います。
薬剤師国家試験対策で僕が行っていた勉強法その1
薬剤師国家試験の勉強
こんにちは。マルオです。
来年の薬剤師国家試験を受験される方は、今まさに勉強されている真っ最中だと思いますが、調子はどうでしょうか。
僕が薬剤師国家試験を受けたのは数年前になりますが、当時のこの時期となるとそろそろ本気で勉強しないとヤバいなくらいに思っていたような気がします。
もしかすると、模試の点数がなかなか上がらなかったり、どう勉強すれば良いのかわからないという方もいるかもしれません。
というか、当時の僕がそうでした(笑)
実際自分の勉強方法の型が出来上がっていないと、勉強した分を点数に繋げるのはなかなか難しいのではないかと思います。
なので、当時僕がやっていた勉強方法などを書いてみようと思います。
ただし、この勉強方法が正しいのかどうかはわからないので、こんな感じで勉強してた人もいるんだなくらいでご覧いただければと思います。
まずは自分の勉強方法の型をつくる
僕の大学では、薬剤師国家試験対策の教材として薬学ゼミナールの青本という解説と問題が交互になっているテキストと、過去問集である回数別既出問題集、領域別既出問題集を使用していました。
そして僕の場合、まず回数別既出問題集で過去3~4年分程度の過去問を解き、その後領域別既出問題集だけをひたすら解いていました。
しかし、結論から言うとそれは失敗でした。
模試の点数はまったく伸びず、正直最初の頃とほとんど変わっていなかったと思います。
なぜなら、基礎知識がない状態でいくら過去問集を解いて解説を見ても理解力が足りず、身につかなかったからだと思います。
とにかく問題に慣れることが良いと思ってやっていたのですが、科目ごとの全体像もわからない状態でいくら問題を解いても、頭に整理してインプットすることは難しかったのでしょう。
さすがにこのままではヤバいと思い、夏~秋頃から勉強法を変えることにしました。
まず領域別既出問題集は完全に捨て、青本に特化して勉強することにしました。
青本は単元ごとに、教科書的な解説、一問一答形式の確認問題、過去問なども入った練習問題の大きく3つに分かれており、それを利用しました。
まず一問一答形式の確認問題を解いて、どの辺の内容が問題になっているのか確認します。確認問題の解説で重要そうなところには、マーカーをします。
次に教科書的な解説に、確認問題で出題されていた部分を中心にマーカーや書き込みをしていき、知識をインプットします。このとき、確認問題で触れられていなかった部分や、重要そうでないところはあまり目を通していませんでした。
知識をインプットしたら再度確認問題を解き、知識の漏れがないかどうか確認します。これにより、最初に確認問題を見たときに比べてどれだけわかるようになったかが判断できます。
最後に過去問なども入った練習問題を解き、アウトプットします。足りていない知識があれば、教科書的な解説に戻ってチェックしておきます。
これを1つの単元ごとの1クールとし、これを繰り返して進めていきました。
また、大学の講義で予備校の先生の授業があり、その中で教科書的な解説の部分を先生が解説してくれるときもありました。その場合は授業中にマーカーや書き込みをしたことだけをインプットした状態で確認問題と練習問題を解いていました。
ただ、全範囲を予備校の先生の講義で賄われてはいなかったので、講義がなかった範囲は先ほどの自分のやり方で勉強していました。
ひたすらインプットとアウトプットを繰り返す方法に切り替えたことで、試験問題を解く力がだんだんと身についていきました。
おそらく、問題だけや教科書的な解説だけで勉強してしまうと、いざ試験問題を解くときに使える知識は身につきにくいのではないかと思います。
僕の友達は、僕とは逆に最初教科書的な解説だけをひたすら読んでいたらしいのですが、なかなか模試の点数は伸びていませんでした。
しかしその友達も問題を解くようにしてから、点数が伸びるようになりました。
よって、教科書的な解説と問題とを繰り返すのが良いと思いました。
僕の場合教科書的な解説は、範囲が膨大すぎるせいで端から端まで読んでいる時間はなかったので、必要そうなところに絞って勉強していました。
情報は一つにまとめる
予備校の先生の講義の時はもちろん、大学の講義のときも基本的にはノートを作らず、講義内容は全て青本の教科書的な解説にマーカーや書き込みをしていました。
模試を受けた後のやり直しの際にも、模試の解説の内容を教科書的な解説にマーカーや書き込みをしました。
とにかくただでさえ膨大な試験範囲なので、勉強する情報が分散しているとどこに何が書いてあるのか探すだけでも面倒になってしまいます。
よって、情報を一つにまとめておくことは勉強を進めていく上でかなり重要だったと思います。
その2に続きます
書いていると意外と長くなってきたので、続きはその2で書きたいと思います。
その他の勉強関連のリンクも下記からどうぞ。